【コラム】ハワイの相続税(遺産税)の注意点

ハワイの相続税(遺産税)の注意点をご紹介いたします。

1. ハワイに不動産を所有したまま亡くなると米国遺産税が課税される?

現在、日本人の富裕層の方の間では、ハワイに不動産を所有することが流行しています。

日本人に人気の海外リゾート地ということと、日本語がある程度通じるということが影響しているのかもしれません。

しかし、日本にお住いの日本人が、ハワイの不動産を所有したまま亡くなると、米国遺産税(Estate Tax)が課税される場合があります。

2. 米国遺産税の基礎控除はたったの6万ドル(約600万円)!?

ハワイはアメリカの州の一つです。そのため、米国の相続税である米国遺産税があります。

また、日本にお住いの日本人(つまり米国非居住者)の税国遺産税の基準となる金額は、6万ドル(約600万円)となっています。ハワイでこの6万ドル以上の財産を所有すると米国遺産税が課税されます。

ハワイの不動産の金額は最低でも30万ドル(3,000万円)以上となりますので、ハワイで不動産を所有したまま亡くなると、米国遺産税の対象となります。

3. 米国遺産税を回避するには?

米国遺産税を回避するには、亡くなる前にハワイ不動産を売却し、米国が財産がないようにするしか方法がありません。米国遺産税が発生した場合には、税金だけでなく、米国の弁護士や会計士への報酬も併せて発生します。

また、遺産税の問題以外にもプロべーとの手続きなどの問題点がありますので、ハワイに不動産を所有する場合には、ご自身が亡くなったことを考えておく必要があります。

米国遺産税が発生しても、租税条約による免税部分が適用可能

万一、米国に資産がある状態で相続が起きた場合には、原則として6万ドルしか非課税になりませんが、日米租税条約4条により、Unified credit(2017年の場合、最大で549ドル)の部分適用が認められます。

そのため、6万ドル以上の財産が米国にあったとしても遺産税がかからない場合もありますが、米国弁護士への高額な相談料が発生する可能性やコミュニケーションの問題がありますので、やはり生前のうちに米国内に財産がないようにした方がよいでしょう。

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