第4回 収益認識(Revenue Recognition)
第3回に引き続き、収益認識に係るディスカッションペーパーから、収益の測定について解説します。
① 測 定(注9)
契約締結時に当該契約におけるその権利及び履行義務の認識を行い、その権利及び履行義務を別々に測定しなければならない。
以下の仕訳のように、認識時における仕訳の金額を決定する
(a) 借方の測定
企業がどのように権利を測定するかについて、まだこのDPでは予備的見解を表明していない。しかし、権利の測定は取引価格の金額(すなわち約束された対価)を基礎とすることとなるであろう。
(b) 貸方の当初測定
このDPでは、履行義務は取引価格(顧客が約束した対価)で測定することになった。すなわち、借方と貸方の金額が同一となり、正味の契約ポジションはゼロである。これは従来の収益認識の考え方と同じで、契約締結時における収益の認識を避けている。(注10)
もし契約が複数の履行義務で構成されている場合、企業は当該取引価格を、当該履行義務の基礎となる財やサービスの独立した販売価格の比率を基にして履行義務に配分することとなる。
(c) 貸方の事後測定
履行義務の事後測定は、商品やサービスを顧客に移転したという企業の義務の減少を描写するものでなければならない。
もし全ての履行義務が充足されたとした場合に認識される収益の額は、充足された履行義務に契約締結時に各履行義務に配分された取引価格の金額である。この結果、契約期間にわたって企業が認識する収益の総額は取引価格と等しくなる。
契約開始後、履行義務が不利とみなされない限り、履行義務の測定値を更新しない。
もし以下のような場合は履行義務が不利とみなされるので、当該履行義務を再測定する。
(履行義務の充足に要する企業の予想コスト)>(履行義務の帳簿価額)
この場合、履行義務は当該義務を充足するための企業の予想コストで再測定され、企業は契約損失を認識することとなる。
(注9)DP S24-27
(注10) このデイワン利益(初日利益)についての議論はかなり行われたが、このDPの段階では契約締結時に履行義務と対価請求権の測定値を別個に測定することによって、異なった測定値を計上することを避けて、契約締結時の履行義務の測定を顧客対価とすることで、その計上を容易にしたのである。





