第3回 収益認識(Revenue Recognition)
(b) 履行義務の識別(注5)
企業の履行義務は、資産(商品又はサービスのような)を顧客に移転するという顧客との契約における約束(注6)である。
・ 商品提供の場合
企業は顧客に対する資産の移転を約束している。
・ サービス提供の場合
顧客は移転された資産を即時に費消することになるものの、企業はサービス資産を移転することを約束している。
商品又はサービスの提供が顧客に対して異なる時点で移転する場合、すなわち複数の商品又はサービスが束ねられた契約により、それらの商品やサービスが一度に顧客に提供されるのではなく、段階を経て提供される場合、企業はそれぞれの履行義務を別々に処理する。
履行義務を分解する目的は、契約期間にわたって顧客に資産が移転するパターンを、企業の収益が忠実に表現することを確実にすることにある。
(c) 履行義務の充足(注7)
企業が(商品又はサービスのような)約束された資産を顧客に移転したとき、企業は履行義務を充足し、収益を認識する。
履行義務の充足時における仕訳は以下のとおりである。
(概念的な仕訳;実際にはこのような仕訳は行わない。)
(履行義務充足時)
【支配概念による資産の移転】
顧客が約束された資産に対する支配を獲得したとき、企業は約束された資産を移転するとしている。
(i) 商品提供の場合
顧客が商品に対する支配を獲得し、商品が顧客の資産となったときに、企業は履行義務を充足するとする。
通常、これは顧客が商品を物理的に占有したときに生じる。
(j) サービス提供の場合
サービスが顧客の資産となったときに企業は履行義務を充足する(注8)。これは顧客が約束されたサービスを受けたときに生じる。
あるケースでは、サービスが既存の顧客の資産の価値を増すことがある。また、あるケースではサービスは即時に費消され、資産として認識されないこととなる。
(注6)契約上の約束は明示的であっても非明示的であっても構わない。
(注7)DP S20-23
(注8)企業が顧客にサービスを提供するとき、概念的には、顧客はサービス資産を受け取り、顧客は即時に当該資産を費消する。実務上、顧客は資産の受取りと費消の2 つの事象を結合し、受取時においてサービスを単に費用として認識している。
(次回は「③収益の測定」を予定しております)


